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過去の記事
●岡山県の見聞録
掲載日:2006/8/01
今月は校友会事務局の猪口眞美が岡山県を訪問した際の
見聞録をお届けします。
岡山の駅を降り立つと、岡山駅を背にして、吉備団子の入った袋を腰につけ、猿・雉・犬を従え、遙か彼方(鬼ヶ島?)を眺める桃太郎の銅像が目に飛び込んできました。
さーすが岡山県。
ところが、後楽園へ向かうバスの停留所を探して歩いていたら別の銅像が目に入ってきました。 こちらは学生帽を深々と被り、マントを着て腕を組み、高下駄を履いた「いにしえ」の学生の姿でした。
桃太郎像とは逆に岡山駅を見上げるようにした様子は少し違和感を覚えました。
なにゆえ?と銅像にあるプレートを確認すると旧制六高(現:岡山大学法文学部、理学部、教養部)創立100周年を記念して建てたものと記されてありました。
古き良き時代の若者が新しき時代を見据えるといった風情でした。
岡山駅からバスで後楽園に向かいました。その途中バスの車窓から丸に福の文字が刻まれた屋根瓦のある古い商家が目に入ってきました。
「福」の字は幸福を呼び込むためのおまじないかな? 何か言い伝えがあるのかな? と気になってしまいました。
そこで、後楽園前のバス停を降りて確認に戻りました・・・・・・・・・。
アラララ?ここは福岡屋という酒店だったのです。
オオ・・・・自分ちの名前を瓦に入れたのか。
なんか納得したような、しないような気持ちで商家を後にしました。
今度は後楽園入り口横に、二羽の丹頂鶴が羽を広げて求愛のポーズをとっているユニークな郵便ポストが目に入りました。
鶴は千年、亀は万年 鶴亀は吉祥(おめでたいしるし)だとか。
調べてみると後楽園は鶴と関係が深いことがわかりました。
この後楽園は1686年から14年の歳月をかけて藩主の池田綱政が家臣に命じて作らせたものといわれています。 その綱政が居間の庭に降り立った丹頂鶴を見て、「おめでたい出来事の兆し」と喜び、和歌を詠んだといわれています。
爾来、後楽園では鶴を飼育しているそうです。ただ、残念なことに太平洋戦争の頃には、さすがに鶴を飼育することが出来ず鶴の姿が無くなってしまったとか。
戦前旧制六高に学んだことのある中国の郭 沫若(カク マツジャク)氏が戦後、その事実を知り、昭和31年中国から二羽の丹頂鶴を贈った経緯があります。
今でも毎年1月1日には数羽の丹頂鶴を庭に放鳥しているとのことでした。
芝生を基調とし広々とした後楽園の園内には幾つもの建物や池、畑などが配されています。 その中でも私の目を引いたのが、慈眼堂(じげんどう)と流店(りゅうてん)でした。 慈眼堂の境内には、花崗岩を36個に分割して再び組み立てた烏帽子岩があります。
クレーン車やブルドーザーのような重機のない時代、このようにして重い石を運んだのかと感心しました。
流店は、質素な佇まいをした建物の1階部分中央に水路を設け、6個の石を配してありました。 庭廻りや賓客の接待などで、休憩所として用いられたものだそうです。藩主の風流を感じさせました。
しかし、一方で、最近流行の足風呂のような雰囲気もあると感じました。
我ながらなんと風情のない想像力・・・・・・。
後楽園を後にして、旭川を渡り岡山城に向かいました。
岡山城は宇喜多秀家によって1597年に完成したもので、外壁の下見板が真黒なため、「烏城(うじょう)」とも呼ばれたとか。 現在のものは再建されたものですが、当時の偉容を偲ばせます。 城のある丘が岡山と呼ばれ、これが岡山の名称の由来といわれています。
次に向かったのは岡山市デジタルミュージアムです。岡山駅西口前の近代的なNHKビルの中にあります。
映像とコンピュータを組み合わせた展示があり、来訪者がもいろいろ体験できるようになっていました。 『リアルとバーチャルの融合』と銘打った展示はユニークなものでした。
でも、アナログ人間の私はリアルにこだわりたいと思いました。
ここには、全国各地に伝わる桃太郎伝が紹介されいて、「桃太郎はこんなにも全国各地に伝わっているのか」と驚きました。
翌日、倉敷にいきました。
まず倉敷美観地区を見て歩きました。 倉敷は江戸幕府の直轄地「天領」で、倉敷川畔は米や綿花などの物資の集散地として栄え、商人たちが白壁の土蔵や屋敷を構えたそうです。 倉敷美観地区はその当時の面影を色濃く残しています。
次いで訪れた倉敷アイビースクエアは明治22年創設の旧倉敷紡績工場の跡地を利用して作られた施設です。 レンガ造りでツタのからまる建物は明治の時代を偲ばせます。
大原美術館は昭和5年に実業家の大原孫三郎が日本で最初に設立した私立美術館です。
世界の著名な作家の名画・彫刻・作品が沢山展示されており、久しぶりにぞくぞくしながら展示物を見ることが出来ました。 私の好きなモネ、セザンヌ、ルノワール、ユトリロなどもありました。 マイヨールの彫刻「イル・ド・フランスのトルソ」にうっとりと酔いしれてしまいました。 また児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」の鮮やかな彩色と表現に引きつけられました。 さすが大原孫三郎が彼の才能を評価していただけのことがあるなと思いました。
本校校友会誌の表紙の題字を飾っていただいている人間国宝芹沢?介氏の個別展示室もあり、予定していた時間があっという間に過ぎてしまいました。
歴史と文化にふれ、さわやかな余韻を残しつつ、岡山を後にしました。
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